おにぎりに「ラップ使用」は本当に危険か?

さて…最近よくシェアで見かける「ラップでおにぎりは危険説」
ちなみに、私は衛生管理講座ではおにぎりはラップでにぎりましょうという話をさせて頂いています。

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食中毒のリスクと環境ホルモン(正確には内分泌かく乱物質)のリスクを天秤にかけて、私はラップで握った方が安全だと考えているからです。

確かに…環境ホルモンも様々な説があり、避けられるものなら避けた方が良いものです。
しかし、正直なところおにぎりに使用したラップで、どこまで体内に環境ホルモンが蓄積して、それがどこまで人の身体に影響を及ぼすかは明確ではありません。

要は当たり前だけど…
人間で実験したデーターというものが無いということ。

しかしながら…
おにぎりによる食中毒事例はゼロではありません
最近だと、熊本地震の際に配られたおにぎりで食中毒が発生しました。

新聞記事には
おにぎりを作った男性従業員は手袋を着用していた。汚染経路は不明だが、保温効果のある発泡スチロールの容器を使って運んだため、菌が増殖した可能性があるという
と記載があります。

汚染経路は不明ですが…
黄色ブドウ球菌が原因という事から、人から混入した可能性が高いです。

手袋しているから関係ないのでは??って思う方もいるかもしれませんが…
食品等をお店で扱う際には手袋をされていることが多いと思いますが…
これは私自身も経験したことや
会社員時代によくチェックしていたことがあるのでわかるのですが…
(ある意味…嫌な役割です…)

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人は手袋をしていることに慣れてくると、無意識に顔や身体や他の部分を触ります。
ましてや長時間同じ手袋をしていると…
なぜか手袋の表面からも微生物が検出されるんですね。
*手袋から染み出るというのではなく、多分無意識に顔や目を触った結果だと思います。
なくて七癖、人はどこかを触る癖があります。
ちなみに私にもありますよ。
なので会社員の頃は結構気を付けていました。

確かに、日本での黄色ブドウ球菌による食中毒はほとんどきかなくなりました。
国立感染研究所にこのような一文が記載されています。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/cryptosporidium-intro/392-encyclopedia/511-aureus.html

1984年までは年間200事例以上の発生がみられていたが、1985年以降経年的に漸次減少し、1985年には163事例、1991年には 95事例、1995年には60事例となり、年間の事例数は劇的に減少している。ブドウ球菌食中毒の全食中毒事例に占める割合は、1984年以前は 25~35%であったが、1985年以降25%以下となり漸次減少傾向を示し、1995 年には約10%、1997年には3%まで減少した。その理由は、ブドウ球菌食中毒の最大の原因食品であった「にぎりめし」による食中毒が激減したためであると考えられている

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私はこの減少の理由の一つにラップでおにぎりを握るようになったというのがあると思っています。確かに私が小学生だった1980年代ぐらいまでは母もおにぎりは手で握っていたように思います。
梅干しを入れてご飯も炊いていました。

しかし残念ながら、梅干しにはその周りでしか菌の繁殖を抑えることが出来ないと言われていますし、どこまで抑えることが可能なのかはあまりデーターがありません。

私自身、よく夕方に残っていたおにぎりを食べようとして怒られた記憶もあります(笑)
お昼ご飯の時間をすぎたおにぎりは食べてはいけないって
しかし…いつしか衛生面を気にして我が家でもおにぎりはラップで握るようになりました。

でも…今までラップを使わずにおにぎりを握っていても我が家では大丈夫だった
そんな方も多くいると思います。
その理由は、実は私たちが持っている常在菌の違いにあります。

私たちの20%~60%ぐらいの人が黄色ブドウ球菌を常在菌に持っていると言われています。
(文献などによって数値は様々です…)
全員が黄色ブドウ球菌を持っているわけではありません。
(ちなみにこれは持っているから良いとかダメとか、常在菌のバランスが悪いとか…
そういう事はまったく関係ありません。)

その為、何も起こらない場合とそうでない場合があるんです。

では…
おにぎりのお塩での殺菌効果を求める人もいますが、それはどうでしょうか?
そもそも黄色ブドウ球菌は塩を好む好塩性の細菌です。
食塩濃度16~18%でも増殖し、他の条件が適当であれば食塩濃度10%でもエンテロトキシンという毒素を産生します。

梅酢やお酢などの殺菌効果を利用するような話も聞きますが…
どこまで効果があるかは正直なところ不明です。

結局のところ、お塩でもお酢でも確実な食中毒予防にはならないのが正直なところです。

また、実際におにぎりでどのような条件で、どれだけ黄色ブドウ球菌が増殖するかを試験した機関のデーターもあります。
数時間の間に、100倍 1000倍に菌数が増えていきます。

黄色ブドウ球菌の食中毒は命取りとまでは言いませんが、
やはり嘔吐や下痢、酷い場合には点滴が必要になってきます。
それらのリスクを考えると、やはりおにぎりを握る時はラップを使用しましょうと
私は言います。

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例えば…
作った後にすぐ食べるなどであれば、ラップを使用しなくても良いとは思います。
でも時間をあけるのであれば、やはり私は衛生面に気を付ける事をお勧めします。

ちなみに環境ホルモンが気になるのではあれば…
↓↓このようなラップもあるのでさがしてみてくださいね。

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ちなみに各メーカーとも
ラップを油性の強い食品をラップに包んで電子レンジにかける事は勧めていません。
なので、ラップと電子レンジを使った時短料理は、料理雑誌などが勝手に推奨しているだけなんだと思います。
(なんかラップメーカーの圧力みたいに書いている人もいたので、念のため)

プラスチックやラップなどの使用量は出来るだけ減らした方が良いものであるにはかわりありません。
でも、衛生面の対策もあわせて考える必要があるんじゃないかと私は思います。
我が家ではおにぎりなどはラップを使いますが…
保存などは出来るだけ蓋付きの容器にいれたり、なべのまま保管したりとそういうところで、ラップを使わない工夫をしています。

ちなみに繰り返し使えるラップ…
果たしてご飯のような水分とねばりのあるものを直接包んでいいのだろうか?と言う疑問が…
また、実物を入手したら、衛生面も含めて確認してみます。

 

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≪プロフィール≫

笛吹 和代

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関西を中心に活動し、臨床検査技師の国家資格を保有する、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

自身の不妊治療退職をきっかけに「働く女性の不妊治療退職ゼロ」を目指して、妊活や不妊の悩む女性の個別相談を行ったり、セミナー講師として活動したり、妊活や不妊をサービスとする専門家向けの講座も行っている。

また、働く女性向けサイトで妊活コラムも担当

2017年5月 医療職とファイナンシャルプランナーによる妊活や不妊で悩む女性を支援するプロジェクトチームを立ち上げる。2018年9月には第1回目の妊活イベント「ワタコレ」を関西で開催し100名を超える方で当日はにぎわった

≪経歴≫
1979年滋賀に産まれる
不妊治療の末2012年に男児を出産

子どもの頃から身体の仕組みに興味があり、医療系の学部に進学する。
卒業後は検査センターで様々な検査や健診に携わったのち、製薬メーカ・化粧品メーカで専門職として勤務する。28歳で結婚、29歳から妊活をスタートするものの妊娠にたどり着かず、32歳で前職を退職し、33歳で第1子を出産

その後健診現場に復帰するが、自身の経験から不妊で悩む女性の支援をしたいと事業をスタートさせる。現在は当事者支援と不妊予防を伝える事に力を入れている。

≪講座開催実績≫
2015年より自身で講座主催をする傍ら
大津市男女共同参画センター様、漢方薬局様、鍼灸師団体様 カルチャーセンター等で妊活や不妊、女性の身体に関する講座を開催

≪コラム掲載≫
奈良の子育て応援アプリ「ぱーぷるmama」にてコラム掲載
専門家によるパパママ応援サイトIKU♡LOVEにてコラム掲載
NAILIST JOBで女性向け コラム掲載
働く堅実女子のお悩みサイトsuits-womanで妊活コラムを担当

≪取材実績≫
日本成人病予防協会 妊活ページ取材

≪ラジオ出演≫
インターネットラジオ fmGIG 「マゴちゃんのツナガリっちょラジオ」出演
インターネットラジオ fmGIG 「コトリカの輝くママきっぷ 」出演

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