『夫婦で妊活・不妊治療』 という言葉に思う事

『男性不妊』や『精子力クライシス』など、『不妊の原因は女性だけではなく男性にもある』ということがようやく世間一般に知られるようになってきた。

と、同時に『夫婦で妊活・不妊治療』『男性も不妊検査へ』これらが広く叫ばれるようにもなってきた。

また、東京都の検査助成の場合『夫婦で検査』を受けていることが条件であり、『不妊治療は夫婦で行うもの』という認識が一般的になりつつあるように感じる。

 

 

なぜ?夫婦で検査が必要なのか?

不妊の原因の約半分は男性側にあり、女性だけが頑張っても男性側に原因があると妊娠に至らないからだ。
そして、その期間にも女性は年齢を重ね妊娠しにくくなっていってしまう。
だからこそ時間を無駄に使わない為にも、夫婦で同時受診し、男性も検査を一緒に検査を受ける事が望ましい

ただし、男性不妊を専門に扱っている泌尿器科は少なく、どうしても検査を受けるとなると、産婦人科や不妊クリニックに行く必要が出てくる。
特に地方にいけばいくほど、不妊専門のクリニックは少なくなり、たくさんの女性に混ざって検査・診察を待つという事が男性を不妊治療・不妊検査から遠ざけている要因の一つではないかと思う。

ちなみに男性が最初に行う検査は『精液検査』であり、保管条件、運搬条件(時間)を守れば自宅採取も可能である。
クリニックの方針によっても変わってくるのでこの点はクリニックに確認が必要だが…

実は通院がなくとも検査が可能なのだが、案外これも知られていない。
自宅採取が可能となると、もっと検査のハードルが下がるのではないかと思うことがある。

 

 

男性の受診を妨げるものは何か?

『夫婦で受診』という言葉を聞くたびに思う事がある。
不妊は夫婦の問題であるにも関わらず、なぜ?これだけ『男性の受診』や『夫婦で不妊治療』を必死に促さなければならないのか?

もちろん
・男性が不妊や妊娠の基本的な知識を知らない為いつか妊娠できると思っている
・自分は大丈夫…という根拠のない自信がある
なんて思いがある男性もいるだろうが実はそれだけではない。

・検査結果に対する不安や男性としてのプライド
・女性だらけの不妊クリニックに入る事のためらい
・女性以上に不妊クリニックに行く為の休暇に理解のない会社や社会

そんなの女性の不妊治療や通院の数に比べたら…と思う人も少なくないかもしれない。

でも男性の気持ちを無視して『夫婦で不妊治療』と訴えても当事者の耳には届かないのが現状なんだと思う。

 

 

夫婦で不妊治療と言う言葉に当事者が苦しんだら本末転倒

 

なぜ?「夫婦で不妊治療」という言葉に私が過敏に反応するのか?
それは、私自身もこの言葉で苦しんだ一人だからである。

我が家は歳の差夫婦ということもあり、夫の根本的な価値観が上の世代に近いところがある。
その為か会社を定時退社するという概念はほぼ皆無に等しいし、もちろん治療の為にクリニックを休むという考えもないし、そもそも休める雰囲気の会社でもなかった。

 

「排卵日」と言う言葉にも「タイミング」という言葉にも嫌悪感を示したことは一度もなかった夫が唯一抵抗したのが「不妊クリニック」に行くという事であった。

わけを聞いても濁されるばかり…
しつこく問いただすと険悪な空気が流れる為、結局は聞けず仕舞いだった。

頭では夫婦同時検査の必要性をわかっていただけに、「夫婦で不妊治療」という言葉を見かけるたびに「私は一人で何を頑張っているのだろう??」と悶々と過ごしていた。

だからこそ、男性には最初に一緒に不妊クリニックに行ってほしいという思いがある。
と同時に、なぜ男性が検査に行きにくいのか?その点も改善していく必要がある。
「検査に行きましょう」と言うだけでは多くの男性は動かないだろうから。

そして何より「夫婦で不妊治療」という言葉に女性が苦しまないで欲しい。
あくまでも「夫婦で不妊治療」という言葉は男性に向けられたメッセージであることがほとんどであり、女性を追い込むための言葉ではない。

1人で頑張っている気持ちになりついつい感情任せに言ってしまいたくなる気持ちもわからなくはない。
でも、そんな時こそ一呼吸おいて話し合いをしてほしい。

男性は女性が感情的になればなるほど頑固になる可能性もあるから。
淡々と必要な事、伝えたい事を伝えた後はしばらく様子見することも時には必要である。

後は残念ながら同じ方向を向いていない事もある
・なんとしてでも子どもが欲しい女性
・自然で授からなければ夫婦2人でも良いと思っている男性

実は不妊治療の協力的ではなく、こんな風に思っていることもある。
ある程度のタイミングで確認することも必要になってくる

 

これから必要なのは女性への妊娠・不妊に関する教育だけではなく、男性に対する妊娠・不妊に対する教育なのかもしれない

そして当事者への啓発だけではなく、男性が検査を受けやすくなる環境作りが必要なんだと改めて思う。

 

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